贈りもののマナーと作法 第3回「贈りものの時期と贈り方」

贈りもののマナーと作法 第3回「贈りものの時期と贈り方」

相手を敬う気持ちから生まれた「礼儀作法」。
日常生活における「正しい礼儀作法」と聞くと何となく堅苦しい印象がありますが、礼儀作法とは、ただ決まり事を守るということではなく「人を大切に思う心」が根本にあり、相手を敬う気持ちから生まれたもので、先人が長い歴史をかけて培ってきた人間関係を円満にする知恵なのだそうです。
そう考えると、礼儀作法について学んでみたい気持ちになりませんか?今まで「何となく知っているけど、人に説明するにはちょっと自信がない。」そんな贈りもののマナーをこれから数回に分けてご紹介いたします。
今回は第3回目として「贈りものの時期と贈り方」というテーマで、私たちにとって身近な贈りもの「結婚お祝い」と「引出物」にクローズアップいたしてご紹介いたします。



ご結婚祝い

日本では4〜6月、10〜11月が結婚シーズンと言われております。
一般的には、約2ヶ月前に招待状が届くように送られるため、 6月に挙式をされる方のお知らせが、ちょうど届くころだと思います。

[ 贈る時期について ]
ご結婚祝いは、一般的には挙式の一週間前までにお届けしましょう。本来は、直接お渡しするものですが、最近は配送で届ける場合も増えています。
結婚前で忙しいお相手に配慮して日を選び、なるべく午前中に届くようにしましょう。
また準備などで忙しいおふたりですので配送についても、あらかじめお知らせしておくことが大切です。 また、挙式当日に持参することは、荷物になり迷惑になりますので、絶対に控えましょう。
[ どんな品物を贈ればいい? ]
デザインセンスの良い実用品を贈る場合は、自分ではなかなか買えないものをいただくと嬉しいですよね。
たとえば、新生活で毎日使える食器やキッチン用品。お酒が好きなおふたりには素敵な酒器や、おつまみ入れなどいかがでしょうか?


[ 気をつけたい、タブーとされる品物 ]
挙式は縁起を大切にする「場」ですから、「縁を切る」「壊れる」ことを連想させるものは避けられてきました。
現代では、親しい間柄の場合は、相手が希望するものであれば問題ないとされ、割れ物ではありますが、食器などはむしろ喜ばれる品物になっています。

【刃物】: 包丁やハサミなどは「縁が切れる」ということを連想させるため、お祝いの品としてはマナー違反とされています。

【日本茶】: お茶は弔事に使われることが多いため、慶事のギフトでは避けた方がベターです。お茶を贈るなら紅茶やコーヒーなどを選びましょう。

【ハンカチ】: ハンカチは漢字で「手巾(てぎれ)」と表すため、縁を切ることを意味し、日本では遺体に白い布をかける習慣があるため、特に白いハンカチはタブーです。

【割れ物】: 食器やグラス、鏡などは「割れる」という意味を表してしまうため、結婚祝いには不向きとされてきましたが、現代では、親しい間柄の場合は、相手が希望するものであれば問題ないとされ、割れ物ではありますが、グラスや食器などはむしろ喜ばれる品物になっています。

一般的に、割り切れる数字はよくないと言われますが、品物もセットで贈る場合は4個など、偶数を避けるようにしますが、1ダースや1ペアは「1組」と考えますのでこちらは大丈夫です。

[ お熨斗の種類は「結び切り」 ]
表書きは「寿」「ご結婚祝い」または「御祝」などが一般的です。
水引は金銀または紅白2本(5本の水引を1本とした計10本)で結んだ「結び切り」となります。結び切りは、何度もあっては困る、一度きりがいいとされるお祝いの際に使われます。
[ いただいたお祝いのお返しは ]
頂いたお祝いに対するお返しは、挙式後1ヶ月以内のお返しが常識的となります。相手の好意に対するお礼状は出来る限り早く出すのは基本的なマナーです。お返しの際はお熨斗の種類は「結び切り」、表書きは「内祝」で用意します。

引出物

引き出物とは結婚式・披露宴の際に招待ゲストからのお祝い(ご祝儀)に対するお礼として配られる品々のものを指します。

[ POINT1 かさばらないこと ]
ゲストの多くの方は移動に公共交通機関を利用されますし、料理でおなかが満たされ、女性の場合はヒールを履いているので、重くてかさばる引き出物を持ち歩くのはとても大変です。そのため、引出物はコンパクトなものが喜ばれます。
[ POINT2 消耗品であること ]
贈られた引き出物が、ゲストの趣味に合えば喜ばれますが、合わない場合は使うことも処分することもできず、困らせてしまう場合があります。
そういう点から、特別にこだわりがある場合以外は、どんな方でも使いやすい、シンプルなものを選ぶか、「消えるもの」「減るもの」を贈るのがベターです。
[ POINT3 用意する時期は? ]
大切な日のギフトなので、挙式の半年前には品物を探しはじめましょう。両家のしきたりやご両親の意向もあると思いますので、先に確認しておきましょう。 最低でも3か月前にはギフト選びはじめ、引き菓子・プチギフトなども2か月前には仮予約、または納期の確認をしましょう。最低でも1か月前には注文すると、余裕を持って用意できるためトラブルも防げます。

では次に上記のポイントをチェックした後に気になる点をまとめました。

[ どのぐらいの価格帯のもの? ]
統計によると、ひとり当たりのギフトにかける総額は年々増加傾向にあり、引出物+引菓子にかける平均額はひとりあたり6300円ぐらいだそうです。
引出物+引菓子(引出物に添えて渡す1000円〜1500円程度のお菓子)、もしくはそれに「かつお節」などの食品を1品加えた組み合わせが一般的ですが、最近では、「お祝いに来てくれてありがとう」という気持ちを込めて、披露宴後のお見送りの際に、新郎新婦から一人一人に手渡しするプチギフトも
ご用意する方が一般的になってきていますね。
[ ゲストに合わせた贈り分け ]
贈る相手によって、品物や金額を変える「贈り分け」が主流になっているようです。特別お世話になった方にはちょっとよいものを贈りたい。親族にはこれを、親しい友人にはこれを。などおふたりとゲストとの間柄によって、贈るお相手に合ったものを贈る方が増えているようです。ただし、ギフトの差があからさまになるのは気持ちのよいものではありません。同じサイズの紙袋に収まるよう配慮を忘れないようにしましょう。


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[ ご結婚祝いに ]

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