二重の構造は大堀相馬焼独特の技法です。入れた湯が冷めにくく、手に持っても熱くありません。人々の生活に溶けこんだ器として、使いやすいように創意工夫が重ねられた結果、生み出された技です。
青ひび
素材と釉薬との収縮率の違いから生じる「ひび割れ」を貫入(かんにゅう)といい、青磁釉の器全体にこの貫入が拡がった特徴的な地模様を「青ひび」と呼びます。このひびが入るときに出る「貫入音」は、 「うつくしまの音 30景」にも選ばれた繊細で美しい音です。
走り駒
現在の浪江町周辺をかつて治めていた相馬藩の「御神馬」を描いたもので、狩野派の筆法といわれます。熟練の筆使いで描かれた「走り駒」の躍動する姿は、昔から縁起が良いものとされてきました。